水谷もりひとブログ

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もう一人の自分

ZOOMで講演を聴く機会が増えてきました。
それまで講演を聴いているとき、
自分がどんな顔で聴いているのかなど考えたこともなかったのに、
ZOOMというのは、そのときの自分の顔が出てくるものだから
「なるほど、自分はこんな顔で聴いているのか。
こんな顔で人から見られているのか」と気づくようになりました。

そういえば、スマホの時代になって
自撮りで自分の顔を至近距離で写す機会も多くなったように思います。
それまでのカメラだとこれほどアップで撮ることはありませんでした。
つまり自撮りは右腕の長さ、だいたい60センチくらいの至近距離です。

改めて思ったのは、自撮りで撮った自分の顔が
全然イケてないこと。
普段鏡で見ていると、そんなこと思ったことないのに
スマホの自撮りの写真は、画素数が高すぎて
「シミ」や「くすみ」まではっきりくっきり写し出してきます。
なによりも「変な顔」なのです。

なにかが違うのです。
当たり前のことでした。

何十年と毎日見ている自分の顔は鏡に映った、左右逆の顔だったのです。
それに対して、自撮りの写真は「他人から見られている顔」というわけです。

僕の右目の下にはシミがあります。
鏡で見ると確かにそれを右側に確認できます。
ところが他人の目には左側に見えるわけです。
写真を撮ると、僕の右目の下のシミは左側に見えるのです。

ということは、毎日鏡で見ている自分の顔は、
人が見ている自分の顔ではなかったのです。
全部左右反転した顔。

人間の顔は誰でも微妙に左右非対称なので、
写真の顔、つまり人から見られている顔と鏡で見慣れている自分の顔は
違うんですね。

どっちが好きかというと、見慣れている鏡の中の自分です。
どっちが本当の自分かというと、どっちも本当の自分なのですが。

で、問題は何か。
鏡を見るときはいい顔を作ってますが、
人から見られているときは油断しているということです。
だから不意に写真を撮られると、
びっくりするほどブサイクに写っていたりします。

顔は公共物です。
明るい、いい顔をしていると周りにいい影響を与えます。
暗い顔をしていると、周りも暗くします。

僕は会社では暗い顔をしているそうです。そう部下から指摘されました。
悩み事が多いから自然とそうなるんでしょうか。

鏡の中の自分と自撮りの中の自分、
二人の自分に語り掛けよう。
「もっと笑顔!」
「もうちょっと口角を上げて!」って。