水谷もりひとブログ

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もっと知りたい彼らのこと

「札幌商工会ウリ札幌会」から講演依頼を受け、
11月17日、札幌で講演してきました。
会場には約50人、もう一つオンラインで別の会場にも配信しました。

札幌商工会ウリ札幌会とは
札幌在住の在日韓国・朝鮮人の経営者の団体です。

母体になっているのはウリ信用金庫という金融機関です。
前身は朝鮮銀行ですから、北朝鮮系の金融機関だったのですが、
近年、在日の世界では北も南も関係ない。
同じ同胞として助け合おうという風潮になっているようで、
集まった人たちは韓国籍、北朝鮮籍、混在していました。
みんな仲がいいんです。

40代~50代の経営者が多かったように思います。
40代といえば、もう3世です。
おじいちゃんが日本統治時代に日本に渡ってきて、
お父さんは日本で生まれ、
その子どもたちがもう40代なんですね。

懇親会では4人の方々とご一緒しました。
皆さん、心の温かい人たちばかりでした。
お一人は小学校4年まで日本の学校、
5年生から朝鮮学校に転校して、朝鮮大学校を卒業後、
朝鮮学校の教員を5年務められ、ウリ信金の社員になったとのこと。
この金さんがすごくいい人なんです。

それから小学校は朝鮮学校で学び、
中学以降は日本の学校で学んだユンさんの話も面白かった。

祖国に対する希望と絶望を味わった話や
自分の子供を日本の学校に入れるべきか、朝鮮学校に入れるべきか、
対立する意見を聞いていて、彼らの抱えているもの
背負っているものの大きさを感じました。

今のマスコミに触れていると
反韓感情、反北朝鮮感情に流れされてしまいますが、
在日の人たちにはほぼ反日感情はないと感じました。
朝鮮学校では確かに反日教育を受けるのですが、
社会に出ると、やっぱり変わるそうです。

それより自分たちのアイデンティティをしっかり持ちながらも
日本社会で生きていなければならなかった1世、2世の思いを受け継ぎ
3世も今、大きな岐路に差し掛かっているように思いました。
つまり、4世に対してどこまで民族教育をしていくのか
4世にもなるともうそこまで強制できないのではないか、ということです。

日韓関係、日朝関係、南北関係は依然として何一つ進展することなく
この現実を生み出した時代から半世紀以上が経っています。

少なくとも日本国内で南北統一のような状況が進展することを祈ります。