本の贈り方
本が送られてくる。正確には「本が贈られてくる」のだが、
一番多いのは新しく本を出版した著者さんや出版社さんから。
実は僕も自分の本をお世話になった人に謹呈することが多々ある。
先日も拙著を数十人に贈ったら、
師匠から「ポイントはどこだ?」と連絡がきた。
つまり、本を贈るときにはそれなりの礼儀があるというのだ。
お世話になった人に、
日頃のご愛顧に感謝して、千数百円の本を無料で贈る。
しかし、もらったほうは別に嬉しいわけではない、こともある。
しかも、本を贈るということは、相手に
「読んでくれ」と催促しているわけである。
もらったほうは、超多忙な日々の中にいる。
「なんで俺の貴重な時間を割いて突然送られてきた本を読まねばならないか」
と思うのが普通である。
僕がもらって嬉しいのは、尊敬している方から贈られてくる本。
これはやっぱり嬉しいし、絶対読む。
しかし、面識のない方から贈られてくると、読まない。
でも、自分も贈っているではないか。
同じように、こんなん贈っても喜ばれてないんだろうなと、改めて思った。
そこでだ、本を贈るときの礼儀があるというのである。
それは「ここだけ読んで」である。
「第2章の○ページと第4章の○ページのところ、ここだけでも読んで!」
読んでほしいところを指定する。そしたら絶対読むだろう。
読んでほしいところを限定してお伝えするのは、読ませる絶大な効果がある。
そんなことを師匠から教えてもらった。