水谷もりひとブログ

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毒論⑤

毒の二つ目は「精神の毒」

自分が嫌いなこと。苦手なこと。嫌なこと。
そして訪れる不幸。

「精神の毒を喰らえ」とは、まさに不幸を受け容れること。
あえて嫌なことを引き受けること。

反骨精神、革命の精神こそが生命を燃焼させる。

読書について何の本で読んだか忘れたが、こんなことが書かれてあった。
スラスラと読める本、読んで「面白かった」という本は
自分にとって大した本じゃない。
それは今の自分のレベルと合っているから。
その本は何の成長にもならない。

何を言っているのか分からない本、自分には難しい本こそが
今の自分より上のレベルの本なので、読むべし、と。

自分に心地よいことばかりやっていると人生は開けない。
やりたくないけど断れずに引き受けたことを一生懸命やると、
人生の幅も人間の器も大きくなるものだ。

耐えがたき不幸というものに僕はまだ出くわしたことがない。
僕の周りにはそんな不幸を乗り越えてきた人が何人もいる。
配偶者やお子さんを病気や事故で亡くされた方、
お付き合いしていて、そういう方々の人間の深さ、大きさを、やっぱり感じる。

執行草舟さんは「成功なんて価値はない」とよく言われる。
人間の価値は「深さ」なのだと。

執行さんの奥さんは、子どもを産んで三か月後にがんで亡くなっている。
「その不幸を受け容れることで死んだ妻とそれからずっと一緒に生きている」と執行さん言う。
「人生70年を振り返って一番幸せだったのは妻と一緒に暮らした新婚時代の2年間だ」と言う。

「精神の嫌なこと、その毒をどんどん食らっていると、いろいろな幸運も次々に出てくる。過去の人たちもそうだった。私の尊敬する人たちもそうだった。私もそれに倣って生きてきた。本当によかったと思っている」と。