水谷もりひとブログ

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毒論⑦

復習しよう。
「毒論」には三つの柱がある。

まず「肉体の毒を食らえ」。
添加物とか農薬がどうのこうのなんて気にせず、
出されたものは、何でも感謝して食べようという思想である。
自然の食べ物には少なからず毒がある。
昔の人は何でも食べながら、毒も一緒に取り入れ、
多少の病原菌に負けない丈夫な体をつくっていた。
健康のことばかり気にしている人間は、どんどん弱くなっていく。

二つ目の「精神の毒を食らえ」は、不幸を受け容れる思想である。
精神的に嫌なこと、辛いこと、苦しいことを積極的に受け容れる。
肉体は、肉体の苦痛を通して強くなる。それしかない。
肉体が嫌がることを避けていたらどんどんひ弱な体になる。
同じように、精神は、不幸、苦悩、苦手なことを積極的に受け容れることによって
強く生きていける心が創られる。

本当に不幸な人というのは
嫌なこと、苦しいことを忌み嫌い、そういうものを避けている人間である。

「幸せ」というのは幸せな出来事だけでつくられているのではなく、
不幸を受け容れて生きると覚悟から芽吹くものなのだ。

三つ目の「文明の毒を食らえ」は文明社会の毒、
すなわち不合理な社会を仰ぎ見る思想である。
人間は、動植物のように自然の成すがままに生きているのではなく、
自然に逆らって文明を築いてきた。
だから文明社会には光と影の「影」として不合理がある。
それを良しとするのだ。

毒を嫌ってはいけない。毒から逃げてはいけない。積極的に受け容れるのだ。
毒こそが人間を美しく創り上げてくれる。
人生の達人とは加齢と共に美しい人生を築き上げる人だ。
悲哀を噛みしめながら愛のある人格を築き上げる人なのである。

執行草舟さんの「毒を食らえ」を学び直して
「毒論」を展開しようと思ったのは、
9月17日(土)に日本講演新聞30周年記念パーティを東京で開催するのですが、
記念講演会に執行草舟さんをお呼びして、
コロナ禍における毒を食らえの講演をしてもらうからです。

執行草舟って、言っていることは滅茶苦茶です。
滅茶苦茶、高次元だし、滅茶苦茶、破天荒です。
実際にお会いすると、その人格に引き込まれます。
面白い話ではありませんが、
強く生き抜く毒を耳から受けとめながら
滅茶苦茶を受けとめ、受け容れてみる。
その毒が面白い人生の糧になることは間違いないでしょう。