水谷もりひとブログ

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看取り士はもうちょっと先

先月、岐阜県にいた義母(96)を我が家で引き取った。
そしたら生活の風景がガラリと変わった。

まず家族で外食ができなくなった。
おかゆときざみ食なので。
それから義母を一人残して外出もできない。
ドラックストアに大人のおむつを買いに行くようになった。

妻は義母のおむつを交換することに慣れてきた。
最初は決意が要ったそうだ。

最初は嫌がっていたデイサービスにも慣れてきた。
こういう制度というか、サービスがあることは
知ってはいたが、つくづく日本の福祉は有難いと思った。

さて、このお盆の期間中に母(90)が来た。
普段はショートステイといって
平日は施設で生活し、週末だけ家に帰ってくるサービスを利用している。
隣の町で弟夫婦がお世話をしているのだが、
弟がコロナになったらしいと連絡があり、
一時避難先として我が家にやってきた。

義母のほうは食べて出して寝るだけで精一杯の状況だが、
母のほうはおしゃべりが普通にできる。
自分でトイレに行ける。
時々失敗して濡らしてしまうが。
頑としておむつをしないので、
夜中に2、3回起きてトイレに行くのに同行しなければならない。
やっと親孝行できる機会が与えられた。弟コロナに感謝。

2人は自らの身体をもってして、
親が老いていくこと、身体が動かなくなること、死に近づいていることを
教えてくれている。恥も外聞も捨てて。

最近、『みとりし』という映画を観て、
日本看取り士会代表の柴田久美子さんに連絡し、
宮崎の「看取り士」の方を紹介してもらった。
どうやって人生最期の時を迎えさせてあげようか。
何かワクワクしていた。

しかし、一度、ご飯も食べなくなり、水も飲まなくなった義母が
デイサービスに行くようになって元気が戻ってきた。
何でもよく食べる。言葉も受け答えもするようになった。
もしかしたら100歳まで生きそうだ。あと4年。
母のほうも全然元気。

看取り士さんと契約しよとした寸前だったが、
「どうもまだ大丈夫みたいですね」という判断で、契約を見送った。