水谷もりひとブログ

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執行草舟氏の言葉

日本講演新聞(宮崎中央新聞社)30周年記念講演会がいよいよ今週末になりました。
講演会の講師は執行草舟さんです。

執行さんのことを知っている人、本を読んだことがある人はいいのですが、
全く知らない人にとっては、執行さんの講演はかなりハードルが高いです。

「読んだことがない文学はない!」と豪語する執行さんです。
ミゲル・ウナムーノ、
エミール・シオラン、
レオポルド・ランケ、
レヴィ・ストロースなど、
聞いたこともない哲学者の言葉がさらっと出てきます。

深沢七郎の『楢山節考』
山本常朝の『葉隠』
保田與重郎の『万葉集の精神』など、語り出したら止まりません。

「この人は何を言っているんだろう?」「はぁ?」という感じになります。

実は、日本講演新聞のスタッフ全員、毎朝の朝礼で
執行草舟著『根源へ』を輪読しています。
今日の内容もすごかったです。
一部を紹介します。

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外国語の学習に関しては、国語がしっかりとなければ外国語もないのです。
外国語は国語力あっても話です。
国語は民族の魂であり、それを支えるものです。

江戸時代に鎖国をした日本人の偉大さが現代人は分かっていないのです。
鎖国は、如何なることでも自分たちで乗り越える覚悟がなければできません。
何よりも欲を捨てなくてはできないのです。
それを200年以上もやった。

鎖国をしたら日本は破滅すると多くの人は言いますが、
覚悟さえあればかえって豊かになります。
日本が四苦八苦しているのは、
英米の消費文明を受け入れ、楽をしようとしているからです。
元々エネルギーの無限消費による物質文明は英米主導のものです。

スペインの哲学者ミゲル・ウナムーノは
「自動車なんて、あんなものは英米人に作らせておけばいい。
我々スペイン人は魂の問題を考えている。彼らとは格が違うのだ」と言っています。

スペインの国産自動車会社は一社だけ。
国内を走っているのはフランスやドイツのものです。
それでいてスペイン人の多くは自国の歴史に深い誇りを持っています。

私は日本人にもウナムーノの言葉を噛み締めてほしいのです。
つまりやせ我慢の精神です。
極端な考えでしょうか?そんなことはありません。
英米の物質文明がなければ暮らせないと思い込まされているだけです。

日本は日本のやり方でやったほうがはるかに幸せになります。
「量」が豊かになるとは言いませんが、「質」は豊かになります。


今の日本人は父祖たちの高貴性を全く理解していません

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江戸時代の鎖国には、並々ならぬ「覚悟」があったという視点に驚きました。

また鎖国をしていた215年の間、確かに日本の伝統文化の基礎が出来ています。
まさに日本人の魂といえるようなものばかりです。

執行草舟さんの講演はオンラインで聴くことができます。
https://miya-chu.jp/topics/?itemid=3875