水谷もりひとブログ

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週末劇場/『未来の思い出』

『未来の想い出』は藤子・F・不二雄原作の漫画です。
人生に後悔している漫画家が、一度死んで生まれ変わって人生をやり直すという「ループもの」
「ループもの」とはタイムトラベルのように時間が過去に戻って、もう一度やり直すというSFのジャンルの一つらしい。

この漫画が映画化されました。
監督・脚本を手掛けたのはあの『失楽園』で一世を風靡した森田芳光さんです。
タイトルは『未来の想い出 Last Christmas』
なのでテーマ曲は山下達郎の『ラストクリスマス』。
90年代っぽくいい感じです。

ヒロインは工藤静香で、これはもうすごくかった。
色っぽくて、女優としてもかなりイケる感じ。
もう一人の主役の清水美砂が漫画家の役。
小学館が全面協力しているので、
彼女が賞を受賞した祝いのパーティには
赤塚不二夫
石ノ森章太郎
さいとう・たかを
つのだじろう
永井豪
藤子不二雄?がいて、
赤塚不二夫はちゃっかりセリフをもらっていました。


1992年の作品なので、30年前の鈴木京香、唐沢寿明が見れます。
二人ともセリフの無いチョイ役ですが。

しかしこの映画はそんなにヒットしませんでした。
工藤静香と清水美砂の恋人役の2人の男優の演技がめちゃくちゃヘタ。
一人は狂言師の和泉元彌なのだが、演技はイマイチ。

しかし、この映画が面白かったのはやっぱり森田監督の手腕だと思う。

2人のヒロインは、死んで人生をもう一度やり直します。
2人は10年後の未来を経験しているので、
どんな株が上がるのかも知っているし、競馬の結果も知っているし、
どんなマンガがヒットするかもしっているので、
それを先取りして成功を手に入れます。

でも、良心の呵責にさいなまれて、
一度死んだ日に、同じ死因で亡くなるのですが、
またまた10年前に戻ってしまって3度目の人生を生きるという展開。
そして3度目は正々堂々と生きて、自分の力で生きていく。

クライマックスのシーンでは目が離せません、心臓はバクバクです。
この辺は森田監督の手腕ですね。

娯楽として観るにはとてもいい映画です。