水谷もりひとブログ

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『生きる LIVING』

久しぶりに映画館に行った。
Amazonプライムビデオで映画を観るようになって、
映画館に足を運ぶ回数も少なくなった。
でも、これではいけない。
旬な映画と過去の映画とは違う楽しみ方があるからだ。

とは言え、
昨日観た『生きる LIVING』は1950年代の映画である。
正確に言うと、1950年代を舞台にした映画だ。
実は、あまりにも映像が古いので昔の映画だと思っていた。
なんと今年のアカデミー賞有力候補だという。
ということは、2022年に公開された映画なのである。
わざと特殊な技術を使って古臭い映像に仕上げてある。

ご存じ、黒澤明の『生きる』(1952年)を
イギリス在住で、ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロさんが
何とか『生きる』を現代に蘇らせたいという思いで脚本を書き、
イギリス人の映画監督が見事にそれをやってくれた。

主人公は市役所の市民課の課長である。
「部下に煙たがられながら事務処理に追われる毎日。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。〝お役所仕事〟をしていたのだ。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る。彼は残りの人生をあることに捧げる」(一部ネットからのコピペ)

「お役所仕事」とは「形式的で、時間がかかり、実効のあがらない仕事ぶり」のこと。


昔、黒澤映画の『生きる』を観た時はいい映画だとは思ったが、感涙することはなかった。しかし、リメイク版『生きる LIVING』は泣かされた。
非常勤で市役所に入って来て、すぐ転職したハリスという女性が何ともいいのだ。
黒澤映画の『生きる』にはこういう女性は出てこなかった。

とにかくすべての市役所職員に観てほしい。

なんでこの映画を4月3日に観に行ったのかと言うと、
実は4月2日、妻が宮崎駅前アミュのところで
河野宮崎県知事夫妻と偶然出会ったのだ。
その時は軽く挨拶をしただけだったそうだが、
知事の奥様と妻は以前から親しく、しばらくしてメールが来た。
あの時は映画『生きる LIVING』を観た直後だったと。

あの映画を河野知事が観ていたとは、嬉しい。