二日間の休みの過ごし方
今、ある企業の社長の講演記事を編集しながら、とても考えさせられています。それは何かと言うと、
その社長さんは、仕事で一番大事なのは「心構え」だというのです。
今、どこの会社も、どこの役所も、大概週休二日制だと思います。
これ、ほとんどの日本人が誤解しているのではないかと思っています。
「休み」という概念を、です。
日本で初めて週休二日制を導入した会社は松下電器産業でした。
現在のパナソニックです。
昭和40年4月から導入したのですが、
週休二日制をやると決めて、実際に導入するまでに5年の歳月を要しています。
民間企業が週休二日制を導入し始めたのは昭和55年頃からで、
官公庁は平成4年、公立学校が完全週休二日制になったは平成14年です。
松下幸之助さんの先見性のすごさを感じます。
松下さんはアメリカに行って、週休二日制を見たのです。
労働時間が日本より少ないのに、収益も収入も日本の10倍もある。
「これは間違いない」と決断したのです。
当時として考えられない決断です。
高度経済成長がこれから始まろうとしていた時代ですから。
どういうことかと言うと、
仕事×6日+休養×1日では、会社の売上は上がるかもしれないけど、
社員は成長しないと考えたのです。
長い目で見たら、社員の成長の無い企業の未来はないと。
週休二日制とは、「二日間休みなさい」ということではなかったのです。
松下さんの心構えとは、「一日休養、一日教養」でした。
一日は身体を休ませる。
でももう一日は「教養を身に付けるための日にする」ということです。
これは「仕事に役立つ人間になる」という側面もありますが、
もっと視野を広げると、「人間としての魅力を身に付ける」ということです。
この心構えで二日間を過ごした人と、
ただのお休みを二日間過ごした人とでは、
10年、20年経って、人間力に差が出るのは当然でしょう。