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くるみの談話室 2804号(2019/09/09)
「日本」という枠にこだわらず

本紙代表 松田くるみ
 台湾の大学に留学していた息子が、今年6月、無事卒業しました。その卒業式に参加したくて台湾に行ってきました。大学正門の前にはお祝いの花束を売っている出店がいくつも並んでいました。私も4年間頑張った息子に贈ろうと花束を買いました。

 日本の卒業式と違い、先生も卒業生もみんな黒いガウンを着ていました。卒業生は卒業証書をもらう際、帽子のタッセルと呼ばれるひもを右から左に付け替えてもらっていました。これで卒業したことになるそうです。

 日本の卒業式のような厳粛さはなく、リズミカルな音楽が流れる中、まるで学芸会のような雰囲気でした。

 多くの後輩たちに祝福の声を掛けてもらっている息子を見て、いい学生生活を送れたことが分かりました。終了後は息子の親友のご両親と一緒に食事をして卒業の喜びを噛みしめました。

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 振り返ると、留学という選択肢も良かったと思います。高校3年の個人面談で、息子は行きたい大学も学部も見つからず、頼りない感じでした。

 先生は、「今の成績で行ける大学はこの辺りですね」と分厚い大学案内の本を開きながら説明されました。私は「このまま都会の大学に進んでも4年間遊んでしまうだろうな」と思っていました。

 そんな時、ふとロータリークラブの交換留学のことを思い出しました。息子は高校1年の時に交換留学生として台湾に2週間行ったことがありました。

 高校2年の時には「中村文昭さん・白駒妃登美さんと行く台湾ツアー」にも参加していました。そのため台湾に対する熱い思いを持っていました。

 ネットで「台湾 留学」と検索すると台湾留学専門の予備校がヒットしました。電話をすると3日後に福岡で説明会があるとのこと。すぐに息子と行きました。

 その予備校で半年間中国語を学べば、センター試験の結果に応じて台湾の大学を推薦してくれるとのことでした。

 大学進学は何も国内だけで考えなくてもよかったのですね。

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 留学中、いろんなことがありました。送金が遅れて、その間食費がなくなり死にそうだったこと。最初中国語の授業についていけずにいたら、それを察したクラスメイトが助けてくれたこと。夏休みにヒッチハイクで台湾一周したこと。日本の倫理法人会主催のツアーで中国の内モンゴルに植林に行ったこと。卒業記念で富士山よりも高い玉山に登頂したこと。息子からそんな話を聞きました。

 卒業後は日本のホテルに就職が決まっています。何はともあれ充実した4年間だったようです。

(本紙代表/松田くるみ)
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