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くるみの談話室 2947号(2022/09/26)
その後、母はどうなったか……

会長 松田くるみ
 岐阜県の施設に入所していた96歳の母を宮崎市の我が家で引き取ったのは7月のこと。コロナ禍ということでこの3年、外出も施設の庭の散歩すらしたことがないと聞き、このまま会えないで亡くなることになったら一生後悔すると思ったからです。

 我が家に来てからのことを夫の水谷が8月15日号の社説に書いてくれました。

 「義母は自分で食事をするとか、コップを持って水を飲むとか、そんなことが出来なくなった。食事も口にしなくなり、水もほとんど飲まない。そしてひたすら眠る。義母の体は少しずつあちらの世界に旅立つ準備をしているように思える…」と。

 そして日本看取り士会代表の柴田久美子さんに連絡して、宮崎の看取り士さんを紹介してもらい、母の見送り方について打ち合わせをしました。

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 その後どうなったか。実は、孫やひ孫に囲まれた生活のせいか、デイサービスに馴染んできたせいか、次第に元気になり、今では食欲旺盛、話し掛けると何らかの意思表示をしてくれます。特に病気もなく、100歳まで生きていけそうなエネルギーを感じています。

 また、母のおむつを交換するなんて今まで考えてもいなかったのですが、やってみると慣れるものですね。最初の頃は無理な体勢でおむつ交換をしていたせいか、腰痛に悩まされましたが、ベッドの高さを調整することで、今では難なくできるようになり、腰痛も収まりました。

 また、夜中は2時間おきに起きておむつの交換をしていたのですが、ケアマネージャーから10回分の尿に対応しているパットを紹介してもらい、おかげさまで母は今、夜8時間ぐっすり休んでくれます。

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 先週号に掲載された聞き書き作家・小田豊二さんの記事を読んで、私も昔のことを思い出してもらおうと古い写真を見せました。父の顔は思い出せませんでしたが、私の弟のことは覚えていました。知的障がい児の彼は今施設に入所していますが、母は障がいのある息子の行く末をずっと案じているんでしょうね。

 先日、母を連れて家族でうどん屋さんに行った時、うどんが大好きだった弟を思い出し、「隆夫はどこか?」と突然私に聞いてきました。今も母の心の深いところに弟はいるのだと思いました。

 残り少ない母との大切な時間を、母の言葉を拾いながら過ごしています。

(会長/松田くるみ)


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