くるみの談話室 2908号(2021/11/22)
健康寿命、人生120年も夢じゃない
会長 松田くるみ
先日、熊本保健科学大学の理事長で、一般財団法人化学及血清療法研究所(以下、化血研)の理事長・木下統晴(きのした・もとはる)さんにお会いし、興味深いお話を伺いました。日本人の平均寿命は今、男性81歳、女性87歳です。これが2045年になると100歳になるといいます。
現在は平均寿命と健康寿命の差は10歳。日本人は、長生きしながらも不健康な期間を10年も過ごしているのです。これから更に伸びる寿命を考えると、できるだけ健康寿命を延ばし、活き活きと健康で過ごすための取り組みが必要ですね。
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化血研は、終戦直後の1945年、公衆衛生の悪化による感染症を防ぐためのワクチンを製造しようと熊本大学医学部(当時官立熊本医科大学)の太田原豊一教授が創設された財団とのこと。いわば大学発ベンチャー企業の先駆けです。
過去に、1989年のHIV裁判、2015年の不整合問題等で社会的信頼が失墜したこともありましたが、2018年に公益事業中心の財団として再出発しました。現在、公衆衛生や感染症、血友病などの研究助成、奨学金の給付、学術シンポジウム、大学への寄附講座の設置などに取り組んでいます。
化血研は健康寿命を延ばす取り組みとして、これまで「運動習慣」「食習慣」はよくいわれていましたが、それに「知習慣」を加えた3つの習慣の大切さを訴えています。やはり退職後ワクワクさせられる知的な刺激がなくなると認知症を発症しやすくなりますから。
それから健康寿命を延伸させる社会づくりも重要です。熊本市には1,150メートルのアーケードがあり、雨の日でも人通りが多く、真夏でも快適に歩けます。ここを活用させたいそうです。
また、人間の角膜は、年齢制限はなく100歳のお年寄りの角膜でも十分に使えるとのこと。角膜移植を待っている方は国内に約1,700名もいるそうです。死亡後、アイバンクに連絡し、心肺停止してから6~12時間以内であれば角膜移植のドナーになることができます。
この話を聞いて私も死亡後は角膜を提供しようと決めました。
化血研の機関誌の表紙を見て驚きました。92歳の写真家・西本喜美子さんが笑顔で手押し車を押しながら走っていて、それをドライバーがびっくり見ている写真、まさに120歳まで生き抜く勢いの西本さんです。インスタのフォロワー数は23万人超だとか。
(会長/松田くるみ)
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2908号