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くるみの談話室 2603号(2015/06/01)
全員えこひいき

本紙代表 松田くるみ
 先月、愛知県の石川早苗さんから、発行したばかりの著書『鬼先生の心 全員えこひいき』が送られてきました。

 石川さんは愛知県豊田市にあるそろばん塾「YOU'l石川」の先生です。開塾45周年の記念に本を執筆されたとのこと。

 本には、そろばん塾に通う生徒たちとの関わりや感想などが書かれています。今では電卓も教えているそうです。私も子どもの頃、そろばん塾に通っていたことを思い出しながら読みました。

 「鬼先生」の由来は、石川先生が豊田市の珠算大会で団体優勝しようと、がむしゃらに子どもたちを鍛えていたときのこと、一人の生徒が『日本珠算』という業界紙に「まるでえんま大王のような鬼先生だ」と書いた作文が掲載されたからです。

 一人ひとりの生徒を何年もかけて育てていくので、石川先生にとっては全員が愛する子どもたち。だから全員えこひいきするのです。

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 Tちゃんが電卓名人位を取ったとき、授業が終わって生徒たちと家まで行って、「Tちゃん、名人位おめでとう」と模造紙に書いた紙を広げて祝福しました。思いがけないサプライズにTちゃんはびっくり。やがて涙顔に…。

 実は、何回も何回も挑戦しているのに合格できなかったのです。そんな悔しさや悲しさを乗り越えた子に石川さんは愛情いっぱいのプレゼントします。

 Yちゃんは、中学卒業と同時に「YOU'l石川」も卒業しました。ところが、志望校に入学したものの、途中で学校に行けなくなり、そろばん塾に再び戻ってきました。そんなYちゃんを石川先生は何もいわずそっと見守りました。

 疲れた心が、珠をはじくことで回復していきました。そして、東京で開催された第1回電卓競技大会に挑戦し、個人の部で優勝しました。そのことで自信を取り戻し、珠算部のある新しい高校に入り直し、頑張って卒業しました。

 現在27歳の高木くんは、一緒に入った同級生や年下の子にどんどん抜かされていきました。それでも休むこともなく、昇級試験に何度落ちてもそろばんをやめることはありませんでした。社会人になってからも仕事の帰りに通い続け、そろばん、暗算、電卓、すべて1級を取得しました。彼にとってそろばん塾はもう一つの家庭なのだそうです。

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 私は子どもの頃、登校前の午前7時から1時間、毎日そろばん教室に通っていました。無欠席だとひと月ごとに文具がもらえるので、それが楽しみで8年間通いました。

 そろばんの効果はなんたって暗算です。今も会社の帳簿の数字を大雑把ですが頭の中で把握できますし、計算できます。数字を一日中見ていても飽きないのは、あの頃のそろばん塾のおかげだと思っています。
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