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くるみの談話室 2478号(2012/10/01)
韓国デビュー

本紙代表 松田くるみ
 小学生のときに読んでいた赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』で忘れられない話があります。おそ松くんの家の庭に奇麗な花が咲きました。みんなその花をうっとりと眺めていました。

 隣の家の住人(記憶の中ではデカパン)も、その花を同じように眺めていました。

 そのうち、その花をめぐって、言い争いが始まりました。どちらも自分の家の花だと譲らないのです。境界線に紐を引いてみると、丁度花の真ん中のところに境界線がくるのです。おそ松くんとデカパンの家は関係が悪くなりました。

 おそ松くんのお父さんが「この花が悪いんだ」と言って、奇麗に咲いている花を蹴飛ばしたら、花びらがはらはらと散ってしまいました。やがて境界線に高い塀が立ち、お互いの家は暑いやら暗いやら何にも良いことがなかったというお話です。

 「境界線に咲いた花は、お互いが愛でれば良かったのに、バカなことをしてしまったなぁ」と子ども心に思っていました。今起きている隣国との領土問題も似たようなところがあるように思います。大切なものを見失いそうです。

◎          ◎


 7月21日の日経新聞に載った編集長の記事を読んだという、韓国の通信会社の社長の李さんから電話がありました。「みやちゅう新聞のハングル版を出しませんか?」と。実は、その前日、編集長と「中国語版とか韓国語版を出したいね」と話をしていたので、びっくりしました。

 「とにかく一度会って話をしましょう」ということになり、先週福岡でお会いしました。

 「韓国でも、テレビや新聞のニュースは朝から事件や事故、スキャンダルなど、暗い話ばかりです。どうして心が温まる話題がないのかとずっと思っていました。日経新聞で編集長の記事を読んだとき、これだ!と思ったんです」と熱く語られました。

 それまで日本の金融や経済の本を韓国語に訳して発行しながら、「どこか違うなぁ」と思っていたそうです。

◎          ◎


 「今、韓国人の意識はアメリカに向いています。日本にはほとんど関心がありません。このままいけば、益々日本と韓国の溝は深まるばかりです。日本からいい情報を流していけば、日本に対する気持ちが和らいでいくのではないかと思います。スマートフォンやタブレットで、朝通勤するときにこの情報を読んで欲しいのです」と李さん。

 心が荒みそうな隣国との関係に、少しでも本紙の情報がお役に立てばと思い、快諾しました。また後日、皆さまにも良いご報告ができればと思います。
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