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くるみの談話室 2408号(2011/04/11)
ヒッチハイクのりこみ隊

本紙代表 松田くるみ
 今、日本中が助け合いの精神を発揮しています。そのときに大事なことは、助けて欲しいと、声を上げることです。 震災の翌々日、私たちは福岡から宮崎まで九州自動車道を走っていました。休憩で立ち寄ったパーキングエリア(福岡)で、「熊本まで」と書いたスケッチブックを持っている2人の男子学生を見かけました。ヒッチハイクをしているのです。つい同情して、「乗っていいよ」と声を掛け、熊本インターまで乗せてあげました。
 
    
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 2人は三重県からずっとヒッチハイクで旅をしていました。「よくやるわねぇ」と感心すると、なんと1人は信州大学の「ヒッチハイク部のりこみ隊」の部員でした。1年生ですが、サークル活動がヒッチハイクなので、この1年間、全国各地に行ったとのこと。

 話を聞くと、まず4月の新入生歓迎は、新入部員と先輩がペアになって、長野県内をヒッチハイクします。

 その後、5月には岐阜の下呂。6月は草津。8月は北海道まで。そして秋には恒例の「鍋ヒッチ」。これは秋田のきりたんぽや鹿児島の黒豚など、各地の鍋の食材を求めて部員が全国に散らばるのです。もちろんヒッチハイクで。そしてそれらをゲットして再び長野に戻り、みんなで鍋を囲みます。

 北海道に行ったときは合計30台の車にお世話になったとか。

 そんな話を聞くと、同情して乗せてあげた学生が、ものすごいつわものに見えて来ました。   

          
 ◎          ◎

 
ヒッチハイクというと長距離トラックの運転手が乗せてくれるイメージがありますが、最近ではいろんな理由からヒッチハイカーを乗せることを禁止している運送会社も多いそうです。それでも善意で乗せてくれる運転手もいます。

 「今まで怖いこととかなかったの?」と聞いたら、「刺青した長髪のサーファーが乗せてくれたときだけはちょっと・・・」と、それくらいのことだったそうです。

 このサークルは16年続いていますが、今まで問題が起きたことは一度もないそうです。

 第一印象が良くないと善意でも乗せてもらえません。しかも車中ではフレンドリーであることが重要です。

 2人のうち1人は信州大学の友達に誘われた初心者だったので、あまりコミュニケーションしてこなかったのですが、「ヒッチハイクのりこみ隊」の彼はずっとお喋りしていました。あれだけコミュニケーション力があればどこでも生きていけると感心しました。

       
(本紙代表・松田くるみ)
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