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くるみの談話室 2503号(2013/04/15)
情報を読み取る力

本紙代表 松田くるみ
 4月1日号の赤峰勝人さんのコラムは「ミネラルを豊富に含んだ自然塩は体に健康をもたらしてくれます」というお話でした。

 この記事を読んだ方から、「自然塩に含まれるにがり成分は内臓を徐々に固くするので短命の原因になります」という資料が送られてきました。

 その資料によると、豆腐は大豆のタンパク質をにがりで固めて作ります。つまりにがりにはタンパク質を固める性質があるので、同じタンパク質でできた臓器もにがり成分のせいで少しずつ固くなっていくというのです。

 一方、にがりには豊富な海洋ミネラルが含まれていて、今ではにがりのペットボトルも健康食品として市販されているほどです。いろんな情報が飛び交っていて、何が健康に良くて、何が悪いのか、分からなくなってしまいます。

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 先週、社説で紹介した『命はそんなにやわじゃない』の著者で、がんサバイバーの杉浦貴之さんは、「ヘタな鉄砲、数うちゃ当たる療法」と称して、がんを治すためにありとあらゆることをやってきました。玄米菜食やその他いろんな健康食品を試すのはもちろんのこと、外国の食事療法、ヨガ、気功、遠赤外線サウナ、爪モミ、岩盤浴、五本指靴下、良い波動が出ているというイギリスのパワースポットに移住したりもしました。極めつけは波動を上げる高額なお札を買って庭に埋めたり…。

 後で反省することも多々あったようですが、「宝は探さなければ見つかりません。大事なのは人から言われたことに依存するのではなく、サポートしてもらっているという気持ちでいること。自分の体と合うものが一番いい」と言っていました。

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 私は12年ほど前、乳がんを患いました。手術した後、再発が心配でした。その頃、寄生虫学者の藤田紘一郎先生の講演がありました。「寄生虫が免疫力を上げる」というお話で、藤田先生は自分の腸の中にサナダ虫を飼っていて、「きよみちゃん」という名前を付けていました。

 私は先生に「私にもサナダ虫をください」と手紙を書きました。しばらくして藤田先生から返事が来ました。「松田さんは痩せているからお勧めしません」ということでした。藤田先生の体には合っていても私には合わないのだと分かりました。

 講演会の話も読者の皆様に合うものも合わないものもきっとあります。私たちは講演の中で何か一つでも気付きがあればと思っています。読者の皆さまからもいろいろ教えられて感謝です。
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