くるみの談話室 2351号(2010/01/25)
ハイテク技術と職人の情熱
本紙代表 松田くるみ
先月、日向市モノづくり講演会で人工衛星「まいど1号」の産みの親、㈱アオキの青木豊彦社長のお話を聴きました。会社のある東大阪は技能の集積した職人のいる町です。先代の青木鉄工所から始まり、20年前にはジェット旅客機の部品を受注するまでになりました。
昨今の不景気で町工場の景気も低迷しています。そこで町に夢を呼び込みたいと思い、宇宙開発の協同組合を作り、昨年1月「まいど1号」を打ち上げることに成功したのです。
次なる人工衛星の名前は「えーな1号」です。また大阪ならではの名前です。
「えーな1号」は無人飛行機のコントロールタワーの役割を担う機能が付いているそうです。宇宙に自前の人工衛星を持つなんて夢が膨らみますよね。
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会場には地元の工業高校の生徒さんがたくさん来ていました。青木さんは彼らに向けて、「もっと熱くなれ!」と、訴えていました。仕事というのは、情熱がないと、夢が広がらず、見えるものも見えてこないのです。
昨年、青木さんは宮崎市に「㈱アオキまいど技術センター」を開設しました。ここは宇宙開発ではなく、いろんな企業からの依頼を受けて、製造現場で使う機械を設計・製作しています。
私が一番感動したのは、焼酎の一升瓶のラベルが曲がって貼られていないかをチェックする機械です。膨大な数のビンをチェックするのは単純な作業ですから、人の目より機械のほうが適しているそうです。他にも驚くような機械がいろいろあるそうですが、企業秘密ということでした。
モノづくりと言えば、コンピュータソフトもそうだと思います。みやざき中央新聞の管理ソフトを作っているのが「システムコンサル」さんです。私たちの「こうしたい、ああしたい」というわがままや要望をコンピュータ上で何でも叶えてくれるので驚きです。
たとえば、帯封に書いてある宛名の下に一行だけメッセージを入れられます。それも発送する地域を限定できるのでたとえば、水谷が講演するときはその地域にいらっしゃる読者に向けて帯封でお知らせをしたりしています。
お客様の「こんなことはできませんか?」という要望やわがままの大半は叶えられる時代になっています。ただそれが可能になるのは、高度な技術に加えて、「よし、作ってみましょう」という職人の情熱ではないかと思います。
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2351号