くるみの談話室 2693号(2017/05/01)
7月13日を生命尊重の日に
本紙代表 松田くるみ
先日、「生命尊重センター」の研修会に呼ばれて講演をしてきました。同センターは、産みたくても産めない事情のあるお母さんをサポートしてお腹の赤ちゃんを無事に生んでもらうことを目的にしています。
「8週までの胎児」を英語で「エンブリオ」といいます。その「エン」を「円」にかけて『円ブリオ基金』と名付け、ひと口1円の募金でお腹の赤ちゃんを救おうという活動をしています。
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始まりは1982年、マザー・テレサが来日した時に遡ります。マザー・テレサは「日本は美しい国ですが、心の貧しい国です」と、日本の中絶の多さを嘆かれました。それを受けて「胎児も社会の大切なメンバー」と訴えてきました。
私がこの活動に関わるようになったきっかけは、大学3年生だった娘の妊娠です。娘は親元を離れて県外にいたのですが、たまたまその土地で開催された「円ブリオ講演会」に参加し、そこのメンバーと繋がったのです。
そのメンバーの人たちが助産師さんを紹介してくれたり、出産費用の申請を手伝ってくれたり、相談に乗ってくれたりと、みんなで応援してくれて、思い出深い出産となりました。
あの時生まれた子は7歳になりました。昨年の春、小学校の入学式に私も出席し、正門で一緒に撮った写真は私の宝物になりました。
実はあの当時、同じ大学に娘を含む3人の学生妊婦がいて、「頑張って産もうね」と励まし合っていたそうです。しかし、1人は親の反対で出産を断念したと後で知りました。
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今回、研修会に参加して、「お腹の赤ちゃんは母親の一部ではない」ということを知りました。最近の「赤ちゃん学」では、受胎した時から生命は始まり、赤ちゃんは自発的に動く独立した生命体であるといわれています。
ところが今の日本の法律(旧優生保護法・現在の母体保護法)では、胎児は独立した人格を持っていない「非人間」であるとされています。そのため、親の都合で中絶ができるのです。
生命尊重センターでは、「この法律が成立した7月13日を『生命尊重の日』に制定しよう」と活動しています。条例化に向けて動き出している自治体も出てきています。
残念なことに、現在日本には年間18万人、1日に約500人の生まれることが叶わなかった胎児がいます。その中には、経済的な援助や心のサポートがあれば産声を上げられた赤ちゃんもたくさんいたはずです。
もしご関心があればどうぞこの活動をご支援ください。毎月発行されている『生命尊重ニュース』は年間3,000円で定期購読できます。
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2693号