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くるみの談話室 2386号(2010/10/18)
気配に気づく感性を…

本紙代表 松田くるみ
 『ネイティブアメリカンに学ぶ~大地と共に生きる』と題して、岡田淳さんの講演が日本熊森協会宮崎支部の主催でありました。

 岡田さんは、アメリカ先住民の知恵とサバイバル技術を伝えるトム・ブラウンさんの主宰する「トラッカースクール」で学んできた人です。

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 「トラッキング」とは「追跡」という意味です。残された獣の足跡から、「この足跡はお腹の空いた若いメス鹿だ」というように、獣の種類と、そのときどんな状態にあったのかまで判断できるそうです。

 トム・ブラウンさんはこれを人間に応用し、警察犬が追跡しきれなかった事件を引き受け、今までに600件以上も解決したとのこと。

 岡田さんの話によると、私たちがつける足跡はどこに重心が掛かるかによって、その人物の動きが読め、その場所でどのように動いていたかで、その足跡の人物の情報が得られるそうです。  

 その際、大事なことは「気配に気づくこと」です。たとえ近くに何もいなくても、動物の足跡、糞、死骸などに気づくように努めていると、どんな生き物がこの周辺にいるかが分かるわけです。

 普段、何かに気づこうとすると、意識を集中しなければならないと考えがちですが、集中すると体が固まるので、できるだけ自然の中ではリラックスすること。リラックスするといろんなことに気付けるそうです。

 たとえば、自然に折れた枝ではない枝が見えてきて、そこが獣の通り道(けもの道)であることに気が付くとか。

 岡田さんの話を聴きながら、仕事と子育てに追われ、あたふた動き回っている私は最近、自然の中で耳を澄ますゆとりもなかったなぁと思いました。鳥のさえずり一つでもいいので、気配に気づく生活習慣を身に付けたいものです。

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 さて、サバイバルで一番大事なのは、体温の低下を防ぐシェルターだそうです。それは水や食べ物より優先順位が上です。衣服もシェルターの一つだそうで、以前、取材のために山に入ったカメラマンが亡くなった事故がありましたが、あのときも案内人が「その服じゃ無理だ」と道案内を断っていたことを思い出しました。

 私たちが山の中で迷子になり夜になってしまったら、落ち葉を焚いて火を消した後、暖かくなった落ち葉を布団代わりにして眠るのだそうです。

 ちなみにこの話は「中村文昭さんから教えてもらった」と、日本熊森協会宮崎支部長の甲斐美鈴さんから聞きました。中村文昭さんもおじいちゃんから教えてもらったそうです。
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