くるみの談話室 2390号(2010/11/15)
著者とファンを引き寄せる本の力
本紙代表 松田くるみ
津軽三味線や民謡のお師匠さんで、村上三絃道家元の村上由哲(むらかみ・よしのり)さんがこのほど『素顔のままに』という本を出版しました。その出版記念パーティが先週、宮崎市内のホテルで盛大に開かれました。
この本は本紙編集部次長の西が尽力して監修に当たりました。きっかけは10年ほど前、家元が本紙にエッセイを連載したことです。その後、スクールコンサートや海外公演など精力的な活動を積み上げた家元に、「そろそろ本を出しませんか?」と提案したのです。
執筆、編集に約半年の歳月を経て、ようやく10月に上梓となりました。
「本づくりは当人と編集者がお互いの内臓をすり合わせるようにして作る」と幻冬舎の見城徹さんが、以前NHKのテレビ番組で話していたのを覚えています。その通り家元と西も何度も会い、少しずつ活字にしていく中で、家元の心の叫びを数多く聞き出すことができました。
パーティ会場には200人もの人がお祝いに駆けつけて下さいました。「本」は著者とファンを引き付ける力があると実感しました。
◎ ◎
編集長の水谷も11月に『日本一心を揺るがす新聞の社説』を出しました。20年もの間、書き綴ってきた本紙の社説から選りすぐった41編をまとめたものです。
ずっと「全国の書店に並べてもらえるような本を出したい」という夢をよく話していました。その願いが届いたのは「ごま書房新社」さんでした。
東京の出版社から見れば、日本のはずれにある、名もないミニコミ紙の社説です。ダメ元で原稿を送ったところ、編集者から「これは一級品です」と書かれたメールが来ました。「もしかしたら夢が実現するかも」と、私も胸がときめきました。
ただ、「無名の人間が出す本なのでせめて表紙の帯には著名な人に推薦文を書いてもらいましょう」ということで、6人の方に協力してもらいました。身が引き締まる思いがしました。
私はこの本を置いている全国の書店の名簿を見せてもらい、つい嬉しくて、すべての書店にお礼のハガキを出してしまいました。出版社の方からは意味がないと言われたのですが…。
本が出てからは、用もないのに書店に行き、立ち読みしている人の背中をぽんと叩いて声を掛けたくなります。「そっちの本よりこっちの本のほうが面白いですよ」と。でも、それはしないで書店にお願いして、目立つように自前のポップを作ったので置いてもらっています。(^0^)
12月4日14時30分から「TKP東京駅ビジネスセンター」で水谷の出版記念講演をします。お近くの方はどうぞおいで下さいませ。詳しくはHPで。
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2390号