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くるみの談話室 2522号(2013/09/09)
コンゴレポート番外編

本紙代表 松田くるみ
 「平和以外は何でもあるコンゴを見て欲しい」と、コンゴ民主共和国在住の井上寛子さんからメールがあったのは1年ほど前。その熱意にほだされて、編集長と一緒に行ってきました。

 滞在は1週間。先週号の社説で紹介したように、日本での生活とは180度異なる生活環境、その中で生きる彼らの逞しさに圧倒されっぱなしの日々でした。

 「すごい国だったね」「何事もなく過ごせてよかった」、そんな感想を持って、最終日、私たちは空港に向かっていました。その空港までの約3時間が、コンゴで過ごした1週間の中で一番強烈な思い出となりました。

◎          ◎


 コンゴは、幹線道路が未整備なところが多く、今、日本の無償援助で道路を造っています。最近、中国も鉱石の採掘権と引き換えに道路建設などの大規模な支援をしています。

 空港へは市の中心部から1時間くらいの距離なのに、夕方のラッシュと道路が建設中ということで大渋滞となり、途中でまったく動かなくなりました。

 原因は、その道路は片側4車線の8車線道路なのですが、工事中の橋の所で片側1車線になっていたためです。それが2か所もあったのです。

 そのうち空港に向かう4車線から対向車線にはみ出して走る車が現れたかと思うと、みんなその車に続き、気が付いたら私たちの乗った車もそれに続いていました。

 大渋滞の中では交通ルールはあってないようなものです。少しでも隙間があればそこに強引に突っ込んで来る車があり、1台が突っ込むと、それに続いて行列ができます。

 やがて空港に向かう片側5車線は6車線になり、最後は9車線になって、対抗車線は1車線だけになってしまいました。

 さらに、交差点はほとんど信号機がないため、左右からも強引に割り込んできます。もう縦横縦横に車が並び、身動きがとれなくなり、無茶苦茶な状態でした。

 途中、パンクした車や故障した車が道をふさぎ、渋滞を助長していたし、乗合バスのドアが開いてしまって、子どもが落ちないように抱えていた母親もいたり、目に映るすべての光景がまるでアクション映画のようでした。

◎          ◎


 フライトの時間に間に合わないと思った私は、明日の便を取り直そうと覚悟しました。

 ヘロヘロになって3時間かかって空港に着いたら、私たちの後からもたくさんの人が搭乗手続きに並んできました。

 結局、飛行機も定刻より3時間遅れで出発しました。理由は私たちの乗る飛行機のパイロットもあの渋滞に巻き込まれて遅れたからでした。

 とにかくすごい国でした。
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