くるみの談話室 2718号(2017/11/13)
着付けて完成する着物
本紙代表 松田くるみ
先日、娘が友人の結婚式に出席するため、ご祝儀袋を準備していました。それは自分の結婚式でいただいたものでした。ご祝儀袋は縁起物なので、きれいであれば再利用しても構わないそうです。ご祝儀袋にはかわいい水引がかかっていました。そういえば、結納などの品にも立派な水引がつけられています。
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先日、読者の守田久美子さんのお店「喜久屋」に出かけました。宮崎で唯一の結納品の専門店です。そこでワクワクする一品を見つけました。
それは結納の品で作った羽子板でした。いろんな結納の飾りがてんこ盛りでなかなかしゃれています。
結納の水引は金銀、紅白、青や緑といったおめでたい色使いですが、これは和紙に染色した絹糸が巻いてある伝統工芸なのだとか。羽子板なのでお正月飾りとしても素敵ですね。
娘さんをお嫁に出した家には、結納のセットが残っているところも多いと思います。わが家にもいただいた結納セットが押し入れのかなりのスペースを占めています。羽子板に作り直せば思い出として残り、スペースも小さくなります。時々海外から学生がホームステイに来るので、これを飾っておくと喜ばれるかもしれないと思いました。
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今年の春、鳥取読者会に行った時、京丹後市から来られていた『きもの処いけ部』の店主・池部隆明さんより嬉しいお申し出をいただきました。
「とても着やすい着物を松田さんにお送りするので、着物が簡単に着れることをPRしてくれませんか」と。
贈られてきた着物は、すでに私の背の高さに合うようにおはしょりが縫ってあり、紐に代わってマジックテープで着物を止めるようになっていました。コートを羽織るような感覚で着られます。
先日、私の講演会があったので、その着物を着て講演しました。もちろん講演の冒頭でこの着物の着やすさを語りました。
そんな話を「みやちゅうを読む会宮崎」でしていたら、被服を専攻していた黒岩理子(くろいわ・みちこ)さんがこんな話をしてくれました。
「洋服はそれ自体が完成しているけど、着物は着付けて完成なんです。帯は後ろが見えないのに、それにこだわって作っているでしょ。それはお互いに結び合うためにあるんです。冠婚葬祭の時、親戚が集まってお互いに結び合いっこしたり、母親が娘に着付けてあげて次の世代に伝承する。それが着物の文化なんです」
確かに帯の結び方の基本はお太鼓ですから、1人で結ぶのは大変です。お互いの手を借りて完成させるのが日本の着物の文化だとあらためて知りました。奥深い日本文化です。
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2718号