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くるみの談話室 2730号(2018/02/19)
~ニモマケズ ~ニモマケズ

本紙代表 松田くるみ
 「みやちゅう読む会」も全国で14か所となりました。「読む会」はそれぞれの地域で「個性」があります。ひと月分の「みやちゅう」を持ち寄って輪読するところもあれば、感想を言い合うところもあります。

 先週の土曜日、広島県福山市で初めて開催されるというので出掛けてきました。実は主催者の村上智佳枝さんには特別な思いがありました。

 村上さんが初めて私を呼んで講演会を開いてくれたのは平成22年4月8日のことでした。20名弱の集まりでしたが、これがきっかけになって、その後、村上さんの所属する会社が全国各地で編集長の講演会を開いてくれるようになったのです。

 今回は私が参加するということで、急きょ私の講演が決まり、45名もの人が集まってくださいました。

 今後、「福山読む会」は平日に、村上さんの別宅で開催するそうです。

◎          ◎


 熊本では、明石祥子さんがフェアトレードのお店兼自宅の「ラブランド」で「読む会」を開いています。「フェアトレード」とは発展途上国で生産された物を適正価格で輸入し、現地の人の生活を支える仕組みのことをいいます。

 この活動を25年前からやっている明石さんは、熊本市をフェアトレードの街にした、地元ではちょっとした有名人です。今年1月13日、「ラブランド」で開催された「熊本読む会」にも出掛けてきました。

 ところがその2週間後、「ラブランド」が火災に遭い、全焼してしまいました。お店の2階には91歳と89歳のご両親が住んでいましたが、何とか無事でした。実は「ラブランド」は2年前の熊本地震で半壊し、彼女自身は今も「みなし仮設」に住んでいます。

 火災から2日後、編集長とお見舞いに行きました。意気消沈した明石さんを想像していたのですが、彼女はその日から始まるイオンでのバレンタイン・フェアにフェアトレードのチョコを出品するということで忙しくしていました。お店の商品は全焼したのですが、出品するチョコだけは車に積んでいて無事だったのです。

 明石さんは2年前、熊本地震の1週間後に開催された「みやちゅう25周年」のイベントに、多くの人が参加できなくなった中、「こういう時こそ元気をもらわなきゃ」と参加した人です。

 今回の焼け跡から1年分綴った「みやちゅう」が見つかり、不思議がっていました。そして、もっと驚いたことに、先週、彼女は「ラブランド」の焼け跡にテントを張り、ストーブを置いて、「みやちゅう読む会」を開催したのです。

 まさに「地震ニモマケズ、火災ニモマケズ」。そんな彼女の前向きな生き方に逆に励まされました。
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