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くるみの談話室 2751号(2018/07/23)
人生も連句のように

本紙代表 松田くるみ
 先週号の社説に、成蹊大学名誉教授の近藤正さんこと、連句の近藤蕉肝(しょうかん)先生(雅号)の話が紹介されていました。近藤先生と出会ったのは、あるパン屋さんです。

 本紙を持ち寄って感想を語り合う「みやちゅう読む会」が全国各地で開催されていますが、宮崎市は毎月第4土曜の朝8時からです。今まで宮崎駅構内のカフェで開催していたのですが、先月、その開店時間が8時から9時に変わっていて、慌てました。集まった6人は駅構内を彷徨い、何とかカフェ付きのパン屋さんに入ることができました。

 狭い店内なので他のお客さんの迷惑にならないよう静かに進めていきました。でも、途中からいつものように盛り上がっていくのを抑えられなくなりました。

 終わって、三々五々お店を出ました。参加者の一人、前原満之さんが、私たちの隣の席にいらっしゃった男性に「うるさかったでしょう? すみませんでした」とお詫びをしました。すると男性は「何の会なのですか?」と言葉を返されたのです。

 その男性こそ近藤蕉肝先生です。前原さんは早速本紙を手渡し、紹介してくださいました。すると近藤先生も2020年に宮崎で開催される「国民文化祭」に連句で参加されること、そのために東京から毎月故郷の宮崎に帰って仲間を募っていることを話してくださいました。

 私は前原さんから後になってそのことを電話で教えてもらいました。「近藤先生が興味を持ってくださったので連絡があるかもしれません」と。

 先日、近藤先生は編集部を訪ねてくださり、読者にもなってくださいました。もしあの時、前原さんが帰り際、声を掛けなかったら、このご縁はなかったわけです。繋がっていくのは面白いですね。

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 前回の談話室で、私が男湯と女湯を間違えた話を書きました。それを読んだ一人の女性から丁寧なお手紙をいただきました。

 彼女は私と同じように男湯と女湯が入れ替わっていることに気付かず、前の夜と同じように脱衣所に入り、堂々と湯船につかり温泉を満喫していました。ところが男性が入ってきて「あれっ」と思ったそうです。その次に親子が入ってきました。

 幸い皆さん露天風呂にいた彼女に気が付かず、彼女は体を洗っている彼らの後ろを猛スピードで走り、浴衣をひっかけて飛び出していき、難を逃れました。

 実は、そのことは彼女の心にずっと刺さっていました。家族にも言えず、恥ずかしい思い出として長年心に残っていました。ところが談話室を読んでふっきれたそうです。

 「トラウマから解放されました。これからは面白いエピソードとして語っていけます」と手紙に書かれていました。

 投げかけた言葉から、受け止めた人の人生もどんどん変わっていくのですね。前に詠んだ人の歌を受けて、自分の歌を詠んでいく。人生も連句のようです。

 これからも皆様との繋がりを大切にしてまいります。

(本紙代表/松田くるみ)
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