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くるみの談話室 2464号(2012/06/18)
地獄の特訓、実は愛の特訓

本紙代表 松田くるみ
 ㈱新規開拓が名古屋で主催した3日間の「営業力強化セミナー」に参加してきました。講師は同社の朝倉千恵子代表です。

 昨年、日向市で開催された朝倉さんの講演会を聴いて、すぐに半年先にあるそのセミナーに申し込みました。

 そのときの講演内容は、本紙でも連載しましたが、朝倉さんは、30代のとき、「地獄の特訓」で有名な「社員教育研究所」に入社され、初めて営業の世界に飛び込みました。そこでトップセールスレディになるのですが、営業実績に直結したのは、声の出し方、挨拶の仕方、名刺の渡し方、立ち居振る舞いの美しさだったそうです。

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 セミナーでは、その内外両面の基本を体に叩き込むことを教えてもらいました。それは、まさに「地獄の特訓」でした。

 いくつかの課題を与えられ、それをペアでやったり、チームでやったりと、仲間と気持ちを合わせて行動します。生半可な気持ちや態度で臨んでいると、たちまち朝倉さんから激しく叱責され、他のメンバーに迷惑を掛けることになります。与えられた課題をセミナー中に合格しなければなりませんから、みんな必死でした。

 たとえば、初日の課題の一つが「基本動作・気をつけの姿勢」でした。

 「気をつけの姿勢は、かかとをつけ、つま先を逆八の字に開きます。首、背筋をまっすぐに立ちます。……肩を上げます。後ろにぐっと反らして下ろします。これが気をつけの姿勢です」

 これを完璧に覚えて、声を出してやります。言葉を忘れたり、目が浮いてしまえばその時点で失格です。私は「あれ?」と思った瞬間、目を上に向けてしまう癖があり、何度も不合格になりました。初日に合格した人はほんの数人でした。

 それから、名刺交換の仕方、お客様から断わられた後に切り返すトークなど、課題はいろいろありました。とにかく、一つ一つを真剣にやらないとその都度、檄が飛んできますので、いつの間にかチーム全体が一つにまとまっていきました。そのとき、私は必死になると涙が出てくるという体験を初めてしました。朝倉さんの真剣さに愛を感じたという人もたくさんいました。

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 基本動作のテストは、最終日にようやく合格しました。夢にまで出てくる有様で、このままでは帰れないと思っていたので、「合格です!」と言われたときにはホッとしました。

 今、当社の朝礼で、この基本動作をやっています。それまで打ち合わせ中心の朝礼でしたので、これをやるようになって、スタッフの立ち姿が次第にきれいになってきました。さらに声も出るようになり、社内がまとまってきたように思います。
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