くるみの談話室 2440号(2011/12/12)
幸感力さえあれば…
本紙代表 松田くるみ
以前、上田脳神経外科の上田孝先生が講演の中で、「10年前に幸せを感じていた人は、今も幸せを感じて、10年後も幸せを感じています」とお話されたことがありました。そのとき、先生に「裏づけはあるんですか?」と質問したところ、そういう文献があることを教えてもらいました。でも、どうしてそうなんだろう?ってずっと心の片隅に残っていたのですが、㈱本物研究所の佐野浩一さんの著書『幸感力』を読んで、理解できました。上田先生の話していた幸せな人とは、「幸せを感じる力がある人なんだ」と。
先々週、東京で開催された『幸感力』の出版記念パーティに行ってきました。「幸感力」とは佐野さんの造語だそうです。この言葉が広がると、幸せになる人が増えるんじゃないかと思いました。
◎ ◎
年末が近づくと「今年の言葉」とか「今年の四文字熟語」などがいろいろと紹介され、この1年を象徴する言葉が注目される季節です。新しい言葉が生まれると、その言葉で力をもらったり、新たな道が開かれたりします。
たとえば、「セクハラ」。この言葉がもし私の中学時代にあったらどんなによかったか、と思います。
当時、美術の先生は授業中、女子の夏のブラウスの上から背中のブラジャーの紐をパチンパチンとよく鳴らしていました。その被害に遭うのは主に早熟な女子ばかりでした。でも、「先生はエッチ」とか「いやらしい」と言うだけで、特に問題にはなりませんでした。今思うと、あれは明らかにセクハラでした。
最近では、ちょっとしたセクハラでもすぐ大きな問題になります。今でもセクハラをして社会的な立場を失う男性が少なくありませんが、それでもこの言葉ができたことで、たくさんの女性が被害に遭わなくなったと思います。
◎ ◎
この原稿を書くにあたり、久しぶりに上田先生に連絡をし、あのときの資料をFAXで送ってもらいました。
アメリカの2人の心理学者の論文で、2人とも「幸福」の研究者です。
極端な紛争地域を除き世界中の人たちの人生を調べたそうです。興味深かったのは、幸福か不幸かは、性別とか年齢、地位、収入、人種、教育レベルといったものと関係がないとのこと。
やっぱり「幸感力」ですね。それがないと、10年前も愚痴を言い、今も愚痴を言い、10年後も愚痴を言っていて、「幸感力」があると、10年前も幸せだし、今も幸せだし、10年後も幸せということなのでしょう。
佐野さんは、この言葉をいつか広辞苑に載せたいと話していました。
(本紙代表・松田くるみ)
- 逆に励まされる電話掛け
- 「掃除をする」から「掃除に学ぶ」へ
- 入院中も楽しく友だちづくり
- 3か月前を思い起こす
- 何気ない一言で……
- その後、母はどうなったか……
- 30周年ありがとう講演会&祝賀会、宮崎会場
- おかげさまで30年
- 全国の中学校・高校に日本講演新聞を届けたい
- 終わりを思い描くことから始める
- 健康寿命、人生120年も夢じゃない
- 耳で聴く日本講演新聞、無料配信中
- 免疫力を上げるのは自助努力
- 英語を通して日本語を学ぶ
- 「馬の糞三つってありますか?」
- 取材する側から開催する側にも
- オンライン講演会の時代
- 書の持つエネルギー
- 子どもたちの健康を守りたい一心で
- 日本講演新聞のあるある
- 次の時代にも、そして次の世代にも…
- 購読料の値上げにご理解をお願いします
- 「日本」という枠にこだわらず
- 手つかずだから自然なのですね
- ステキな人生を作りましょう
- 流れに乗って繋がっていく
- いつまでも私たちの胸の中に
- 未来に希望を振り撒く新聞に…
- 幸せな人持ち人生
- 遥か大昔のご先祖の話
2440号