くるみの談話室 2430号(2011/09/26)
日本一の知恵工場
本誌代表 松田くるみ
第1月曜日の1面コラムに連載している松岡浩会長の㈱タニサケを先日訪問しました。本社は岐阜県池田町の、緑豊かな自然の中にありました。 主商品は「ゴキブリキャップ」という商品名のゴキブリだんごですが、その他にもねずみやナメクジの駆除剤も製造・販売しています。
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工場内を見学しながら、私はため息が出てきました。「日本一の知恵工場」と自称するほど、あちらこちらに改善の跡が見られるのです。
工場内は天井から床に至るまで、ひと目で仕事がやりやすいように工夫されています。ねずみ駆除剤の製造工程では、材料の配合は容器を統一して、いちいち計らなくてもいいように、それぞれ「バケツ〇杯配合」と明記され、誰でもその作業ができるように分かりやすくしています。 また、出来上がった商品は積み上げられた箱の高さで箱数が分かるようになっています。これで数える手間も数え間違いも無くすことができます。一か所だけでも何度も改善が加えられて今に至っていることが感じ取れました。
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「ゴキブリキャップ」にはホウ酸が使われています。怖いのは幼児や認知症のお年寄りが間違えて口に入れてしまうことです。そのため個々のだんごはプラスチックの容器に入っているのですが、そのキャップが外れていたりすると大変です。キャップが外れていないかをセンサーで検査するとなると、その機械の導入だけでもかなりのコストが掛かります。
いつも考えることに慣れているタニサケの社員は、キャップの大きさに着目しました。上下のキャップの大きさがほんの少し違うので、大きい上のキャップが引っかかるように金属の棒2本でレールを作りライン上に置きました。上のキャップが外れていれば、そのレールに引っ掛からずに下に落ちます。これで不良品がはじかれます。この改善に必要なのは2本の金属棒だけでした。
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社員からいろんな改善提案が気軽に出てくるようになるまで3年ほど掛かったそうです。面白いのは、改善の提案に対して内容を問わず会社は報酬を出していることです。一件数百円ほどの提案でも年間にすると数十万円の出費になりますが、コスト以上の価値があるそうです。
私も帰ってすぐ社内に改善箱を置きました。一つの改善提案に付き300円の報酬としました。面白い提案が出てきたらいいなぁと思っています。
機会があればぜひ㈱タニサケ本社に見学にお出掛けください。タニサケ塾も月一回開かれていますので、どうぞお問合せください。
(本誌代表・松田くるみ)
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2430号