くるみの談話室 2426号(2011/08/22)
海外旅行ならぬ界隈旅行
本紙代表 松田くるみ
「プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動」の提唱者・志賀内泰弘さん(愛知県)が発行している月刊紙『プチ紳士からの手紙』は、全国から寄せられた心温まるいい話が載っています。その中に「界隈旅行」の話を見つけました。大阪に住む中村さんは定年退職していますが、今まで旅行をしたことがありません。27歳になる重度の知的障害の息子さんがいるからです。3年前、思い切って市の障害福祉課に相談したところ、月に二度、1泊2日のショートスティが受けられることになりました。
海外旅行は無理でもちょっと足を伸ばせば行ける近場に夫婦で旅行ができるようになりました。それを「界隈旅行」と名付けました。
その際、①出来るだけ歩く②観光は1日1ヵ所と決め、丁寧に見る③美味しいものを食べる、と「楽しみながらの心身の老化防止」を心掛けています。
◎ ◎
先週、私は所用で5日間ほど上京することになり、葛飾区にある娘のアパートに滞在しました。昼間はフリーな時間があったので「界隈旅行」のことを思い出し、近場で楽しめるところをネットで探しました。するとそれほど遠くないところに「柴又帝釈天」があり、その近くに「寅さん記念館」がありました。
不思議なのは、仕事で出掛けるときも道中同じような光景を目にしているはずなのに、「旅行」と思うだけで、日常の光景が輝いて見えて、キョロキョロしていました。時間の流れもゆったり感じました。一人で困るのは記念写真ぐらいですが、道行く人にお願いしてシャッターを押してもらいました。
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山田洋次監督の『男はつらいよシリーズ』のマドンナたちの名場面や、お馴染みの寅さんの辛子色の格子柄衣装を見ながら、しばらく昭和の香りを楽しんでいました。
記念館を出ると、「矢切の渡し~ここより500㍍」と書かれた案内表示がありました。普段ならその遠さに断念する私ですが、その日は「界隈旅行」なので、遠くに見える川の小舟を目指して真夏の太陽の照りつける中を歩きました。
実は8月8日号の小欄に「もぎりの市長さん」の話を書いたら、「『矢切の渡し』ならぬ『もぎりの私』を上手に紹介して頂き、感謝しています」とお礼のメールを上京前日にもらったばかりだったので、その「矢切の渡し」が身近に感じられたのです。
船に乗って渡った向こう岸には伊藤左千夫の小説『野菊の墓』の舞台となった場所もありました。これからも時々「界隈旅行」を楽しもうと思います。
(本紙代表・松田くるみ)
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2426号