くるみの談話室 2424号(2011/08/08)
もぎりをする市長に感動
本紙代表 松田くるみ
先日、不法投棄に悩む鹿児島県伊佐市の市民団体「子ども達に素敵な街を引き継ぎ隊!」が、山々の清掃活動をされているアルピニスト(登山家)、野口健さんの講演会を主催しました。野口さんは海外の登山家に、「日本人がエベレストをごみの山にしている」と非難されたことがきっかけで、エベレストに登山家が残したごみを拾う決意をされました。「環境問題のことを考えて清掃活動に取り組んできたわけではなく、エベレストや富士山のごみの現実を知ったとき、ほっとけなかった」と話されました。決意から実際に行動に移すまで3年掛かったそうです。
主催者の前田忠亮さんは、最近歩く生活を多くした途端、街のごみに気がつくようになったそうです。彼もその現実をほっとけなくて行動を起しました。
会場ロビーには伊佐市内の山に不法投棄されていたごみが展示されていました。ガスコンロやテレビなど、信じられないごみもありました。伊佐市には130ヵ所の不法投棄の場所があり、今回は2日間で4ヵ所のごみを撤収できたそうです。
◎ ◎
講演会に行って私が一番感動したのは、伊佐市の隈元市長や副市長が会場入口でチケットのもぎりをしていたことです。伊佐市のポロシャツを着ておられたので友人から紹介されるまで分かりませんでした。
この種の講演会は行政主催で行われることが多く、大概、入場料も無料です。しかしその講演会は民間団体の主催で、入場料も前売券1800円、当日券2300円と、講演会にしては割高でした。しかも売れないと赤字になり、主催者が負うことになります。
会場はたくさんの人が来場されていたので、多くの人がチケット販売に動いたのだと思いました。
市長さんも、「このイベントは我々も応援しなければならない。絶対赤字にしてはいけない」と、市の職員に熱心に声を掛けていたそうです。「当日は私がもぎりをしているので誰が来たか、来んかったか分かるぞ(笑)」なんて言いながら。
市長自らが受付にいるとなれば、市の職員も足を運ばざるを得ないでしょう。そして野口さんの話を聞いて、みんなが「ふるさとの山をきれいにしたい」という意識になればイベントは大成功です。
もぎられたチケットの半券は緑色で、それが講演会が終わって会場を出るときには、ツリーとしてアートに変身していました。なんとも心温まる講演会でした。
(本紙代表・松田くるみ)
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